合意すればいいんですよね?

「合意すればいいんですよね?」

これ、タロット占い屋さんじゃない仕事の時に、本当に頻繁に聞くセリフ。
人事担当者とか経営者とか、会社側、と言われる人たちが、労働問題の相談にやってきて、労働者とトラぶっている時によくつかう。
今日も聞いた。

人が雇われて働く、という時、やりたいことだ!とか、やりがいがある!とかいう意味合いのことは実は個人の感じ方の問題であって、働く人と雇う人の間には

労働力(時間とか能力とか体力とかもろもろ)とお金の交換

しかない。この交換のための約束事が様々な法律であったりとか、会社のきまりであったりとか、契約書にかかれた内容であったりする。

で、予め決められている様々な約束事ではカバーしきれないこと、というのは労使関係(労働者と事業主の関係)には結構発生する。

そんなとき、どうするのか。
双方納得のいく話し合いをして、決めることになる。合意して決める。

しんかいさん(新明解国語辞典)によれば、合意とは「互いの意志が一致すること」。

労使関係じゃなくたって、ある2者の間で約束する時は、通常、じゃあお互いそれでいいよね、一致しましたよね、ということで約束するわけですから、いたってふつう。

普通の話なのだけど。

。。。この合意のなかみがグレーだったりする。
労使関係では基本的には労働者の方が立場が弱いケースが多い。
となると、労働者の自由な意思に基づいて、労働者が事業主からちゃんと説明を受けた上で納得をし、双方の意思を一致させたのかが本当にグレー。

いいくるめて合意、なんてよくある。ここでいいとかわるいとかいわないけど、本当によくある。
ただ、労働者も自立せずに、自らの意思で判断することを放棄していたりするので、会社だけが悪いともいえないけど。

「決まりごとはないのだし、表面的にでも労働者がYESといい、合意、というかたちになっていれば、どうなってようといいでしょ?」
と、あからさまにいう会社側はあまりいないけれど、「(要は労働者と)合意(さえ)すればいいんですよね?」のなかに、そのやっつけ感がかなり含まれている。

労働者は保護されるべきもの、の前提にたつ決まり事も多いし、みょーに権利主張するタイプの労働者も増えているから、会社が辟易して、合意さえすればいいんでしょ?になっていくのもわからないでもない。

わからないでもないけど、合意さえすれば終わり、はちょっと安易すぎ。
やっぱりお互いの一致がないと問題解決とはならないので、この捨て台詞を相談中に聞くと、要注意と思っている。

〇〇(さえ)すればいい、は今日書いているような合意のケースじゃなくても、なんだか捨て台詞でやっつけで物事を安易にし、思考停止させる気がする。

思考停止に加え、〇〇(さえ)すればいい(これだけであとは自分の望みどおりになるのだから)が隠れているから、ほんとにやっかいなのよね。一瞬シンプルなんだけどね、実は一番まわりみちさせることになるからおっかないわ。

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