朝陽の中で微笑んで

昨年の話になってしまうのですが、タイトルの舞台を見に行ってきました。
ユーミンの音楽にのせて、お芝居がすすむ「ユーミン×帝劇」というシリーズの第3弾です。
※私はユーミンが歌っているのをみるだけで号泣して心が洗われてしまうもので、定期的にユーミンを拝みにいっております。

500年後の世界という設定で、寺脇康文さん演じる・鳴沢(50代男性)と宮澤佐江さん演じる・沙良(女子高生!)の純愛もの。
500年後の割にあんまり未来っぽくはなかったです。
※結局どんなに技術が進んでも人間の営みが変わらないから、をベースに流行り廃りを織り込んだ解釈らしい。
人間が変わらないというのはその通りで、インターネットの海にみんながつながり世界が一つになったとしても、みんなが博愛精神に満ちた人々になったかというとそんなことないからね。

その「人間が変わらない」ということよりも、「人間ほんとどうしようもないな」という部分によって、登場人物全員がもれなく傷ついていくのが本当に強烈でした。
みている間は、あんまりにもシンプルに悲劇なので、ユーミンの歌とのダブル効果もあって、何も考えずに号泣していたのですけど。

排除したくなる、差別したくなる、永遠を求める、誰かの特別でいたがる、嫉妬する、陥れようとする、増大していく富に執着しつづける、自分(とそのまわり)だけは大丈夫と思い込む、自分の正しさを主張する、などなど。

こういう、ほんとにどうしようもない部分を、過去~現在にかけて全員が少しずつ(大胆な人もいるが)やらかすことによって、めちゃくちゃになっていくんです。

特に私がコワっと思ったのは、女子高生(お芝居ではヒロインの友達達)の残酷さ。
世間一般の女子高生が残酷、とかお芝居の女子高生が残酷というより、たぶんすんごい昔は私もそうだったのだろうけど
あのティーン女子特有の無知ゆえの強さと残酷さ、自分の欲望への正直さ。
あんなにわかりやすく描けるものなのか!と感心するくらいでした。

あのコ、最近ちょっと調子にのってない?
なんかむかつくから、ちょっといじわるしてやれ

というノリが取り返しのつかないところまで行ってしまい、最後にはそれをやった本人のまわりもめちゃくちゃという。

SNSなんかのトンデモネタ(炎上)も、炎上プロの人たちはどこまでも計算づくのように語るけれど、真のところはそんなことないと思うんだよねえ。
人間のどうしようもないところを刺激するから、炎上するんだもん。

物語が壊れていく前に、ユーミンがストーリーテラーとして語った言葉が

「口は災いの元」。

いや、ほんとそのとおりなんですけどね。もうそれだけじゃすまない感じですよ。。。

とにかく人間おっかねえ!松任谷(夫)さん、よくもまあこんなに生々しく!というお芝居だったことは確かですが、最後の最後はヒロインの強さと愛に素直に号泣して幕を閉じました。

安心設計!